言葉の意味は時代を反映する。
(沖ななも「言葉の時代性」『出版ダイジェスト』2001年11月20日号による)
(注1) 幻想:現実にはないことを想像すること
(注2) つねづね:常に
(注3) 情けをかける:相手のためを思って助ける
(注4) 当てにする:期待する
(注5) あながち~ない:かならずしも~ない
(注6) 選り好み:好きなものだけを選ぶこと
(注7) 甘える:人の親切に頼る
問1 「情けは人のためならず」という諺の、現在の解釈に合っているのはどれか。
1 自分が困っているときは人に甘えた方がいい。人はみんな問題があり、助け合っていきているのだから
2 困っている人を見たら助けてあげよう。自分が困ったときに誰かが助けてくれるかもしれないから
3 困っている人を見ても助けない方がいい。その人が他人に頼って怠けるようになると困るから
4 困っている人を見たら助けてあげよう。その人が後で必ず自分に親切にしてくれるから
問2 「情けは人のためならず」という諺の解釈が変わったのはなぜか。
1 怠けて働かない人が少なくなったから
2 昔より人を助ける親切な人がふえたから
3 日本人でも日本語が通じない人がふえたから
4 昔のように助けを必要とする人はいなくなったから
問3 筆者の言いたいことはどれか。
1 言葉の解釈は時代とともにかわるようだ。
2 言葉の解釈はもともと使う人によって違うものだ。
3 古い時代のことばの意味が現代に正しく伝えられないのは残念だ。
4 現代は人々が豊かになって、情けの意味がわからなくなっている。
問題Ⅲ 次の(1)から(5)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとしてもっとも適当なものを1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1) 先日、手術をなさったとのことですが、その後お加減はいかがでしょうか?こちらはみんな変わりなくやっています。
上の娘が修学旅行で京都に行ってきました。あちらは今、ちょうど紅葉真っ盛りのようで、嵐山が美しかったそうです。
覚えていますか?私たちも高校生の修学旅行で、京都に行きましたね。嵯峨野で食べたお豆腐がおいしかった。懐かしいですね。また、あなたが元気になったらまいりましょう。
娘が京都で買ってきた、絵葉書を同封します。
それではまた、お大事に。
(市田ひろみ『心を伝える手紙の書き方』による)
(注1) 修学旅行:研究•見学のため教師が生徒を連れて行く旅行
(注2) 嵐山、嵯峨野:京都の中の地名
(注3) 同封する:封筒のなかに一緒に入れる
問い 手紙を書いた人の説明として正しいものはどれか。
1 友人が病気で、その病気が治ったら一緒に京都へ行きたいと思っている。
2 京都にいる友人に、嵯峨野へ旅行に行く計画の相談をしたいと思っている。
3 最近手術をしたが、治ったら嵯峨野へ行って、豆腐をたべたいと思っている。
4 紅葉の美しい嵐山の絵ハガキを高校生の娘に買ってきてほしいと思っている。
(2) 私たちは、食べるためばかりでなく、便利で快適な生活を送るため、知らず知らずのうちに多くの生き物の命を奪っています。しかしこのことは、日常生活のなかで実感としてもつことはすくないでしょう。人が生き物の命の尊さをわかるには、逆説的になるかもしれませんが、生き物の命をあやめているという「実感」をもたなければならないでしょう。そうした過程を経なければ、いのちの尊さなどというぉとはわからないのではないでしょうか。