1 人間は生まれてすぐ、母親の顔の真似ができる。
2 大人になると、顔と声を分けて理解するようになる。
3 赤ん坊は母親の「イ」の顔より「ア」の顔の方が好む。
4 人間は生まれてから早い時期に顔と声の関係を学習する。
(2) フリーターがふるえている。200万人にちがい、ともいわれる。それでもたいした社会問題にならないのは、フリーターという呼び名だからである。けっして失業者とよおばれない。1999年現在、15歳から24歳までの男性の失業者は、10.3パーセントにも達している。
労働省の定義によれば、「フリーター」とは、15歳から34歳までのパートやアルバイトをしている男女、ということになる。つまり、34歳をすぎると、もうフリーターとはよばれない。ただのパートかアルバイトである。女性の場合、フリーターといわれるのは、独身者のことで、主婦になると、パートのおばさん、である。
フリーターは、自分で就職せずに、きままにはたらいて、自由を楽しんでいるようにみえるが、実際のところは、うまく就職できないための、浪人暮らしがすくなくない。それは失業率がたかくなると、フリーターが多くなることによっても、よく理解できる。正社員に登用されるかもしれない、と思って、一生懸命はたらいたが、採用されなかった、というフリーターも多い。これはなどは、まちがいなく失業者の部類にはいるひとである。
(鎌田慧『現代社会100面相』による)
(注1) 気ままに:自分の思い通りに
(注2) 浪人暮らし:ここでは、失業中の状態
(注3) 正社員に登用する:正式な社員の地位に引き上げる
(注4) 採用する:雇う
問1 パートやアルバイトをしている人で「フリーター」とよばれるのは、次のうち、どのひとか。
1 25歳で結婚している男性
2 25歳で結婚している女性
3 40歳で独身の男性
4 40歳で独身の女性
問2「だいした社会問題にならない」とあるが、なぜか。
1 フリーターは失業者だと思われていないから
2 フリーターは労働者全体からみて数が少ないから
3 フリーターというよび名がまだあまり知られていないから
4 フリーターは自分の意志で自由を楽しんでいる人だから
問3 「これ」とあるが、何をさしているか。
1 自由を楽しんでいる浪人暮らしのフリーター
2 正社員になりたいのに採用されないフリーター
3 仕事があるのに自分で就職しないフリーター
4 一生懸命はたらいて、正社員に登用されたフリーター
(3) 日本人に、日本語で話せばわかる、通じると思うも、もしかしたら幻想かもしれない。
たとえば、「情けは人のためならず」という諺の意味。つねづね人に情けをかけ、親切にしていれば、自分のためでもあるんだよというのが今までの解釈だっ田。しかしこの頃は違うのだそうだ。
あんまり情けをかけると、それを当てにして怠け者になってしまう、だから情けっはかけるな、ということなのだそうだ。
この解釈があながち間違っているとは言えないのが、時代性というものだ。現代は食べるに困るというような人がいなくなってしまった。どうしても助けなければならないような人がいない。居るとすれば多くはその人自身の問題。怠けて働かなかったり、選り好みをしていて仕事をしていなかったり。そんな人に情けをかけたらたしかに甘えるだけかもしれない。