機能をもっており、少なくともその面では、動物もしくは、動物の種の姿に近いと考えることができる。そう考えると、生物とは対立するはずの機械も、その違いは単に
③
距離の差に過ぎないと言える。
(奥野卓司『人間.動物.機械―テクノ.アニミズム』による)
(注1) あたかも:まるで
(注2) 補佐役:仕事を助け、補う人
(注3) 増殖:増えて多くなること
(注4) FA工場:生産システムが自動化されている工場
問1 ( ① )に入る適当なことばはどれか。
1 生物と動物
2 生物と人間
3 無生物と生物
4 無生物と機械
問2 筆者は自動車工場における人間の役割はどのようだと言っているか。
1 ロボットではできないような作業をしている。
2 ロボットが自動車をうまく作るのを助けている。
3 ロボットが自動車を作るのを見ているだけである。
4 ロボットに指示を与え、うまく使って、自動車を作っている。
問3 ここで言う②「世代交代」とは具体的に何を指しているか。
1 ロボットが自動車を作り出していること
2 人間が新しい機械を作り出していること
3 同じ種類の自動車がどんどん作られていること
4 人間がロボットを使って機会を製造していること
問4 ③「その違い」とは何と何の違いか。
1 ロボットと自動車
2 動物と動物の種
3 動物と機械
4 動物と生物
(3) 大人のことばと子どものことばの場合も、大人のことばが「中心」で、子どもの
ことばは「中心」ではありません。だから、普通は、私たちは、「中心」であるところの大人のことばを維持しなければならないと思っており、子どもが何か変わった言い方をしますと、( ① )。
しかし、その反面、子どものことばというのは、必ずしも全部大人のことばに合わ
(注)
せて直されてしまうわけではありません。それは、ことばというのが、時代とともに変わるということをみればすぐわかることです。「ことばが変わる」という場合、それは世代から世代への移り変わりで、ずれが起こっているということですし、そのず
②
れというのは、子どものことばに始まったのが、それを直そうとする試みにも関わらず、しきれなくて、それが大人のことばの中に入り込み、言語を変えるのだと考えることができます。こんなふうに考えてますと、「中心」でないものも、最近のことば
③
を使いますと、文化というものを「活性化」する、つまり、それに活力を与える――
そういう意味を持っているものとしてとらえなおすことができるわけです。
(池上嘉彦 『ふしぎなことば ことばのふしぎ』による)
(注) 反面:ほかの面から見ると
問1 ( ① )に入るものとして最も適当なものはどれか。
1 それはおかしいと言って直すことをやります
2 それはいいと言って大人の言葉に取り入れます
3 無理に直そうとしないうちでしばらく様子を見ます
4 全く直そうとしないでそのまま放っておきます
問2 ②「ずれが起こっている」とは、例えばどういうことか。
1 大人のことばが子どものことばを活性化すること
2 子どものことばが大人のことばの中に入り込むこと
3 子どものことばと大人のことばがお互いに活性化しあうこと